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羊肉はなぜ臭いと言われる?羊の香りと臭みの違いを羊肉専門店が解説

さまざまな部位を盛り合わせた羊肉

羊肉というと、「臭みが強そう」「クセがありそう」という印象を持つ方もいると思います。

実際にさまざまな羊肉を扱ってきた私たちからすると、羊には確かに羊ならではの香りがあります。

ただ、その香りはどの羊肉も同じではありません。

ラムとマトンでも違えば、脂の多い部位と赤身でも印象は変わる。さらに同じラムでも、品種や飼料、個体によって香りや味わいは異なります。

だからこそ、羊肉の香りをひとまとめに「臭み」としてしまうのは、少し違うと考えています。

むしろ、その違いを知っていくことが羊肉のおもしろさの一つです。

この記事では、羊らしい香りと嫌な臭いの違いから、羊肉が初めての人でも選びやすい肉まで、実際に羊肉を扱う店の目線で整理します。

羊肉は本当に臭い?

羊肉には、羊特有の香りがあります。

ただし、

  • 羊そのものが持つ香り
  • 脂を焼いたときに立つ香り
  • 保存や扱いによって加わる好ましくない臭い

は、同じものではありません。

羊肉らしい香りに関係する成分はいくつか知られており、さらに年齢、脂、部位、品種、飼料、個体などでも印象が変わります。

つまり、「羊肉=全部同じ臭い」ではありません。

初めてなら、比較的香りが穏やかなラムや赤身寄りの部位から試すのも一つです。

目次

羊肉の「臭い」は一括りにできない

まず分けたいのが、

「羊らしい香り」と「状態によって加わる嫌な臭い」は別もの

ということです。

羊には羊の香りがあります。

牛肉を焼いたときの香りと、豚肉を焼いたときの香りが違うように、羊肉にもその肉ならではの香りがある。

一方で、保存や扱いなどが原因で、本来の特徴とは別の好ましくない臭いが加わることもあります。

ここを全部「羊臭い」でまとめてしまうと、本来その肉が持っている個性まで欠点になってしまいます。

羊らしい香りは、必ずしも欠点ではない

実際、羊好きの人ほど、この香りを楽しんでいます。

ラムの穏やかな香りが好きな人。

もう少し羊らしさを感じるホゲットが好きな人。

マトンらしいしっかりした風味が好きな人。

好みはそれぞれ。

香りが弱いから上質、強いから低品質という話ではありません。

むしろ羊肉は、この違いがあるから食べ比べがおもしろい肉だと思っています。

羊肉特有の香りはどこから生まれる?

羊肉らしい香りには、いくつもの成分が関係しています。

その中でよく研究されているのが、4-メチルオクタン酸や4-メチルノナン酸などの分岐鎖脂肪酸です。

ただし、香りは一つの成分だけで決まるものではありません。

研究でも、年齢、遺伝的な違い、性別、栄養など、複数の要因が羊肉の風味に関係するとされています。

羊らしい香りは脂で感じやすい

羊肉らしい香りに関係する一部の分岐鎖脂肪酸は、筋肉より皮下脂肪に多く含まれることが報告されています。

これは、店で肉を焼いていても感覚的に分かりやすいところ。

赤身だけの状態より、脂が熱せられた瞬間の方が「羊らしい香り」がふわっと立つことがあります。

同じ羊でも、脂の量や付き方が違えば印象は変わる。

部位によって「思ったよりクセがない」「こっちは羊らしい」と感じるのも、そのためです。

香りの感じ方は、人によってかなり違う

同じ肉を食べても、

「香ばしい」

「羊らしくて好き」

「ちょっとクセがある」

「臭いと感じる」

反応は分かれます。

羊肉を食べ慣れているかどうかでも違いますし、最初にどんな羊肉を食べたかでも印象は変わります。

だから「臭い」という言葉だけでは、その羊肉の状態も、その人の好みも分かりません。

ラム・ホゲット・マトンで香りは変わる?

羊肉は成長段階によって、ラム・ホゲット・マトンなどに分けられます。

年齢は香りに関係する要素の一つですが、年齢だけですべてが決まるわけではありません。

脂、品種、飼料、個体、部位。

実際には、こうした条件が重なって一頭ごとの味になります。

ラム

初めて羊肉を食べるなら、まず試しやすいのがラム。

比較的香りが穏やかで、肉質もやわらかい傾向があります。

「羊ってもっとクセがあると思っていた」

という反応が出るのも、ラムを食べてもらったときによくある場面です。

ホゲット

ラムより成長した羊がホゲット。

私たちが実際に扱ってきた中では、ラムの食べやすさを残しつつ、もう少し羊らしい旨みや香りを感じる個体もあります。

この「ラムとマトンの間」のようなバランスが、ホゲットのおもしろさ。

もちろん、すべてのホゲットがラムより香りが強いという意味ではありません。

マトン

マトンになると、羊らしい旨みや香りをよりしっかり感じる肉も増えてきます。

ここを「マトン=臭い」で終わらせてしまうのは少しもったいない。

羊肉を食べ慣れてくると、このしっかりした風味が好きになる人もいます。

ラム・ホゲット・マトンは、優劣ではなく違いです。

同じ羊肉でも香りが違う5つの理由

ここは、羊肉を実際に扱っていると特に感じるところです。

同じ「ラム」。

同じ「国産羊」。

それでも、食べてみると全然同じではありません。

要因香りへの関係
成長段階ラム・ホゲット・マトンなどで香りの傾向が変わる
脂・部位脂の量や付き方で香りの感じ方が変わる
品種・個体同じラムでも味や香りは一頭ごとに違う
飼料・飼育環境羊肉の風味をつくる要因の一つ
保存・扱い羊本来の香りとは別の臭いにつながることがある

1. 成長段階

ラム・ホゲット・マトンでは、香りの傾向が変わります。

ただし「若い=絶対に香りが弱い」「年齢が上がる=必ず臭い」というほど単純ではありません。

年齢は、あくまで味を決める要素の一つです。

2. 脂と部位

肩ロース、モモ、ランプなど、同じ羊でも部位によって脂の量は違います。

そして脂の量が違えば、焼いたときに立つ香りも変わります。

羊らしさをしっかり感じたい人と、まずは食べやすい部位から試したい人。

同じ羊でも、選ぶ部位は変わります。

赤身と脂の付き方が分かる羊肉

3. 品種・個体

私たちはこれまで、10以上の国内生産者・仕入先から羊肉を扱ってきました。

そこで分かるのは、

同じ「国産ラム」という名前でも、味も香りも一つではない

ということ。

脂の付き方、羊らしい香りの出方、赤身の味。

一頭ごとに違います。

だから「国産なら臭くない」「輸入ならクセが強い」といった単純な分け方もしません。

4. 飼料・飼育環境

羊が何を食べ、どのように育ったかも風味に関係します。

ただ、

「草を食べた羊は臭い」

「この飼料ならクセがない」

と一つの条件だけで決まる話でもありません。

品種、年齢、脂、個体。

それらが重なって、その羊の味になります。

5. 保存・扱い

そしてもう一つ、本来の羊らしい香りとは分けて考えたいのが保存や扱いです。

保存や扱いによって、肉本来の特徴とは違う好ましくない臭いが加わる場合があります。

ただし、

「冷凍だから臭い」

「生ラムなら臭くない」

「新鮮なら無臭」

という話でもありません。

羊肉にはもともと羊らしい香りがあります。

大切なのは、その肉が持つ個性と、状態による嫌な臭いを一緒にしないことです。

羊肉の香りが苦手な人は何を選べばいい?

「羊を食べてみたい。でも、クセが強いのは少し不安」

そんな人なら、最初の選び方で印象はかなり変わります。

最初から羊らしさの強い肉に挑戦する必要はありません。

まずはラム

比較的香りが穏やかなラムから。

羊肉を初めて食べる人には、一番入りやすい選択です。

赤身寄りの部位から

脂の香りが気になるなら、赤身寄りの部位から試すのも一つ。

同じラムでも、部位が変わるだけで印象は変わります。

焼きすぎない

「クセが怖いから、しっかり焼こう」

これは意外とやりがちなところ。

でも焼きすぎると、水分が抜けて肉が硬くなり、羊肉のおいしさまで分かりにくくなります。

厚みや部位を見ながら、必要以上に火を入れない。

羊肉はここでも印象が変わります。

タレや薬味も楽しむ

ジンギスカンは、肉だけで完成する料理ではありません。

タレ、にんにく、薬味。

羊肉に合わせて食べ方を変えるのも楽しさの一つです。

「臭みを隠すため」ではなく、肉の個性に合わせて味を重ねていく。

そのくらいの感覚で楽しんでもらえれば十分です。

羊肉専門店で感じる「羊が苦手」の正体

店で「羊が苦手なんです」と聞くことがあります。

少し話を聞いてみると、

「昔食べたマトンの香りが強かった」

「以前食べた羊肉が苦手だった」

というケースもあります。

そこで別のラムや部位を食べてもらうと、

「これなら食べられる」

「思っていた羊肉と違う」

という反応になることもあります。

もちろん、羊の香り自体が好みに合わない人もいます。

でも、ここで私たちが伝えたいのは一つ。

一度食べた一皿が、羊肉のすべてではありません。

ラム、ホゲット、マトン。

赤身、脂のある部位。

国内の羊、海外の羊。

実際にいろいろな羊を扱っていると、「羊肉」という一言でまとめるには違いが大きすぎると感じます。

だから専門店で羊を食べる意味は、ただジンギスカンを食べることだけではないと思っています。

自分が好きな羊の味を見つける。

それも、羊肉の楽しみ方です。

まとめ|羊肉は香りまで含めて楽しめる肉

羊肉には、羊ならではの香りがあります。

でも、

「羊肉だから臭い」

で終わるほど単純な肉ではありません。

年齢、脂、部位、品種、飼料、個体。

条件が変われば、香りも味も変わります。

まずは食べやすいラムから入るのもいい。

そこからホゲットやマトンへ進むのもいい。

赤身と脂の違いを楽しむのもいい。

羊肉は、知れば知るほど「どれを食べるか」が楽しくなる肉です。

羊肉の違いは、文章だけで読むより、実際に食べると一番分かりやすいと思っています。

「麻布の羊」「市ヶ谷の羊」を展開する羊肉専門ブランド「羊組」では、羊肉を「珍しい肉」で終わらせず、もっと日常的に選ばれる肉にしていきたいと考えています。

「羊はちょっと苦手かも」と思っている方も、「もっと羊らしい肉を食べたい」という方も。

羊肉の違いを、ぜひ実際に味わってみてください。

麻布の羊

麻布十番でジンギスカンを楽しめる羊肉専門店。

羊肉そのものの味や部位の違いを、自分で焼きながら楽しめます。

市ヶ谷の羊

市ヶ谷・麹町エリアでジンギスカンを楽しめる羊肉専門店。

無煙ロースターを採用し、仕事帰りの食事や会食にも利用しやすい店舗です。

参考資料

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